【講演レポ】「親力を磨くために」臨床心理士の先生のお話

今日は通っている親子サークル(来年年少さんになる2~3歳児のみの親子)で臨床心理士の先生のお話がありました。

「天才児を育てる」というわけではありませんが、全ての子育ての基本・土台となるようなとても良い内容のお話でしたので、シェアしたいと思います。

レジュメはなかったので思い出す限りを私なりに箇条書き状態ですがまとめ直したものです。ですので、先生のおっしゃっている内容を私が理解し間違えていることももしかしたらあるかもしれません。

すごく弾丸トークで話がよく飛ぶ方で、まとめ直すのが大変でしたがw、たくさんの大切な情報を少しでも多く伝えたい、という先生のお気持ちがあふれている講演でした。

 

「親力を磨くために」講演内容まとめ

講師:臨床心理士 ○澤○子先生

【はじめに】

 ・この場に自ら来ているだけで、充分いい親。

 ・誰にでも持って生まれた良い資質がある。
   →子どもの良い資質を5つ以上書き出し、見えるところに貼っておき、自分に視覚からインプットさせる

 ・子どもに聴覚のみで覚えてろ、と言っても無駄。
   →なぜなら人は大人でも20分後に約半分を忘れ、24時間後には約3/4忘れる。
   ・2~3歳は20~30分で普通は忘れる。覚えていたら褒めてあげる。

 ・昭和40年代頃までは、周りが助けてくれる「アロマザリング」という状態だった。
   →今は母一人の「マザリング」状態。追い詰められないわけがない。
    しかも、母の体が回復するのには3年かかると言われており、
    年子や年齢の近い子がいるだけで、母としては厳しい状況。

 ・人の状態の良さは、朝日とともに起き、昼は運動をして、闇とともに寝る、ことで状態が良くなる。運動しないと知能はアップしない。

 

【好きな遊びを好きなだけさせる】

  子どもの生きる力は、能動性がすべて(やる気スイッチ)
  ・自分で好きな遊びを選んで遊ぶのが理想

  ・どれだけ自発的に遊ばせてもらえたかが大事
    →安心する世界だからこそ、挑戦ができる。
     そこで失敗し、工夫し、成長ができる
     思考力・想像力が身につく。

  ・親が邪魔をしないこと

  ・「目を輝かせて、幼児の集中できる5~10分を超える集中力を見せ、食べることも忘れるほど」遊んでいるのを見て親が喜ぶ姿を見せると、子どもは承認欲求が満たされ、「親を喜ばせてあげられた」と嬉しくなる。

  ・褒める時は、プロセスを褒めること。結果しか褒めないと、それができないから遊ぶこと自体をやめる、という選択をしかねない。また、子ども以上のテンションで喜ばないこと。

  ・不得意の強制をしない:得意なことをたくさんやっていくと、それに釣られて不得意なこともそのうちできるようになってくるものである。

 

【健康な心身づくりをしよう】

親が子どもにしてあげられるのは「健康な心身づくり」だけ。

  ・youtubeで読み聞かせを見せている人がいたが、ありえない。実際のやりとりがあって初めて体に入ってくるものだから。

  ・現代はリアルな体験・実体験が圧倒的に足りていない。実体験なしには、学習・記憶にならない。実体験と繰り返しが大切。

  ・広いところに連れていくと、とにかく走り回って骨格を作っている

  ・親は健康な心身づくりくらいしかできない。

  ・デジタルツールを与えるのはタバコを与えるのと一緒。デジタルツールをやっている時は、脳は動いていない。釘付けになっているだけ。そしてリアル体験の時間が削られるだけ。IT関連企業の著名人はみな、「自分の子どもにはゲームはやらせない」と言っている。どうコントロールして付き合っていくのかをよく考える。

  ・体を使って遊ぶのが一番大事。繰り返して失敗を乗り越えることで、時間をかけて記憶から学習へとつながる。

  ・じゃれつき遊びが脳を活性化させる

  ・最近の児童精神科医たちも、体づくり・調整から始める

  ・子どものSOS:身体症状化・問題行動化がある。小1で万引きが増える。

  ・高さ・速さ・水が怖い子は、まとも。動物としての本能がちゃんとあるという証拠。

 

【超スーパーアイドルが、ママ】

 ・絶対に正しいと信じている。ママのことばも。
 ・何をやっても見捨てられない、という経験を繰り返すことで信頼関係を築いていく。
   3歳まではママと。次はパパと。という具合に、安定した関係があってこそ、10歳ころからやっと外での信頼関係を構築し始める。
 ・ただ、「スキスキ~!」とアピールする子から、「感づけよ」というツンデレタイプまで、いろいろな子がいる。

 

【言葉はズレるものだと思っておく】

  ・子どもは言葉だけでは育たない、言葉はズレるから。

  ・子とばで言わなきゃわからない、はただの意地悪

  ・日本の、勉強+部活で睡眠不足、はおかしい。

  ・2~3歳の子どもには、2~3語文で話す。4~6歳の子どもには、4語文で話す、くらいでやっと伝わる。話が通じるようになったからといって長々と話さず、簡潔に話す。

  ・子どもが育つのは、言葉ではなく以下の4つ。ズレない対応ができる。
   ◎温かいぬくもり(水着で隠れるプライベートゾーンはだめ)
   ◎温かいまなざし
   ◎共食(雰囲気が悪くないこと・楽しく・マナーは就学前からでOK)
   ◎体の心配をしてもらえる

  ひとつでもやり続けたらいい子に健康に育つ。
  インフルで熱が下がっても+3日は養生が必要。皆勤賞の概念は捨てる。

みんなが良い、とは限らない。
みんなに合わせて価値下げをすることはない。

 

【今の人は睡眠不足!】

 必要な睡眠時間は
  幼児期前半:12~14時間(昼寝込み)
  幼児期後半:11~13時間(昼寝込み)
  小学生  :21時までには寝る
  中学生  :22時までには寝る
  ・疲れないと寝ない。幼児期の歩く時間の目安は、月齢で考える 例:2歳3カ月の場合=24+3=27→2.7km歩いた分くらいの運動量が必要。

  ・もともと成人は1日に20~30km歩ける体を持っている。
  ・年長で1.6万歩歩いたというデータもある
  ・寝る子は、記憶が定着する

 

【時間の感覚】

 ・幼児が集中できる時間は、5~10分(だから食事は始めの5分が勝負)
 ・小学生は、15分
 ・大人でも、40分。考えごとは15分にする。
 ・子どもの15分は、大人にとっての1~2時間に感じられる
  例:子どもが15分大人に叱られる=大人が3mの人から2時間叱られるのと同じイメージ
  

【怒りについて】

 ・一回も怒られることもなく子は育つ。怒ると、子どもは(こうやって対人関係を築けばいいんだ!)と思ってしまう。

 ・人として、危機には「逃げる」か「戦う」のがまともな反応。→フリーズするのは最悪。

 ・「不幸の大半は比較から始まる」

 ・兄弟げんかには、「そんなにママが好きなのね~」と入っていく。

 ・いい悪いがわかるのは4歳以降。それまでは、「ダメ」と短く言うだけ。

 ・子どもは未熟ゆえ、察知力は抜群に高い。言葉で言っていなくても、全て伝わっていると思った方が良い。

 ・養育で一番大事なのは、親の状態。いかに消耗しないようにするかを考える。

 ・自分を支える社会資源を見つけておく(ストレス解消法)
  1秒でできること、1分でできること、30分でできること、2~3時間でできること、を書き出しておく。

 ・どれだけ寝るべき時間に寝られるか、で親力はアップする

 ・22~26時は体と心の傷を治す時間帯なので、親も22~24時までには寝る

 ・寝る2時間前にブルーライトは消す

 ・自分で自分を幸せにするしかない

 ・情報を取り過ぎない:情報の取り過ぎは、脳の機能が低下する

 ・人とつながり過ぎない:生付き合える人数は一桁親戚入れて二桁。友達100人なんか作らなくていい。

 ・自立とは、選択し、決定し、責任を取ること。

 ・人に助けを求められることも大事

 ・…べきである、…ねばならない、は捨てる。思い込みはだめ。

 ・反省は、振り返り、行動を変えるところまでを含むこと。

 ・自分の怒りのパターンを分析する

 ・注意するときは、くどくど言わない、話を広げない。

 ・子どもは、衝動性のコントロールと反省はできないもの

 

さいごに

かなり箇条書きでしたが、いかがでしたでしょうか。少しでも皆さまの育児のヒントになりますように。ワンフレーズワンフレーズがとても意味の深い大事なことばかりなので、私自身何度もこの記事を読み直して気を引き締めたいと思っています。

ヒーは昼寝込みで13時間くらいいつも寝ているので寝すぎかと思っていましたが、ちゃんと推奨睡眠時間になっていてホッとしました。この長時間の熟睡で記憶が定着するから記憶力が良いのかもしれないな、と思います。ことわざを覚えたり、絵本の内容を覚えてしまったり、おしゃべりが上手になってきた2歳半頃からの記憶力は半端ありません。

だいたい自分も実践してきたことが多かったですが、「デジタルツールを与えるのはタバコを与えるのと一緒」という言葉には正直ギクッとしました。今一度、デジタルツールとの付き合い方を考え直す必要があると思いました。


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すー
おもちゃインストラクター・保育ナチュラリスト・UN DECOR講師による、子育ての知恵をシェアするブログです。天才児を育てるべくあの手この手で子どもと遊んでいます。私が子育てする中で大切にしていることや、年齢別のオススメ絵本、実際に買って良かったものなどを娘ヒー(もう9歳!)のリアクションとともに記録します。
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