実際にヒーと読んでとても反応が良かった「字のない絵本」を、あらすじと感想を含めて、紹介します。対象年齢は3歳以上です。もちろん、字がないので赤ちゃんからでも絵は楽しめると思います。お話をつくる練習として考えた場合は3歳以上、をおすすめします。
年間のべ200冊以上を読み聞かせている絵本の中からのセレクトです。(毎月10冊年間120冊図書館で借り、自宅に50冊、病院や児童ホームなど外で読む30冊以上=200以上)
絵本の選び方については、良かったらこちらの記事「本は心の栄養♪絵本の選び方・読み方・読後のフォローが大事。」を参考にしてください。
目次
誰が物語をつくるの?親が創作で読むの?
眺めて心で感じるだけでも良いし、親が創作して読んでもちろん良いのですが、知育的におすすめしたいのは、子どもと一緒に、というかむしろ子どもにストーリーをつくらせることです。
語彙が増えてくる3歳頃から、文章を組み立てる練習をするのにおすすめだからです。
文字の制約がない分、子どもが3歳の時と4歳の時とでは、同じ本でも親も子どもも違う視点で読むでしょうし、おのずと選ぶ言葉も変わってきて、いろんなストーリーを楽しめそうです。
ぞうのボタン-字のない絵本-
ぞうのおなかにボタンが4つついています。なんだろう?とはずしてみると、中から現れたのはなんと馬。その馬にもまたボタンがついていて…。
内容自体は奇想天外ですが、簡単なお話なので、ぜひ子どもに語らせてみてください。まずは、「この動物はなにかしってる?」「ぞうさん」「そうだね、このぞうさん、普通のぞうさんと、どこか違うところはあるかな?」「ボタンがついてる!」「そうだね、ボタンどうしようか」「はずしてみる!」などと、質問をしてあげると、物語をつくりやすいかもしれません。
ヒーも自分で「ぞうさんのボタンをはずすと…」とページをめくりながら「うまがでてきました!」と興奮しながら読んでくれました。
「イソップものがたり うさぎとかめ」
作者:ジェリー・ピンクニー
出版社:光村教育図書
イソップ物語の、うさぎとかめのお話です。
この絵本は、言葉がほとんどない、絵だけの絵本です。文字がないので、子どもと一緒に「何してるかな?」などお話しながらストーリーを追っていく感じで読みました。とても緻密な絵で、隅々まで生き物や植物が生き生きと描かれていて、1ページ1ページ、ヒーと一緒にじっくり眺めました。お気に入りの一冊です。
「はるにれ」
雄大な大地に一本立っている「はるにれ」という木の四季を撮った写真絵本です。
「どんな天気かな?」「寒いかな?暑いかな?」「木はなんて言ってるかな?」「お月様はなんて言ってるかな?」など質問をすると会話が弾みます^^
「やこうれっしゃ」
【ストーリー】文字は一切なく、夜行列車の出発するところから車内の様子、到着するまでが緻密に描かれている絵本です。各ページをじっくり見ながら「この人達は家族かな?」「何しに行くのかな?」などと質問をしながら、子どもの自由なストーリーを引き出します。
ある家族とかに注目して始めからページをめくっていくと、その家族の電車の旅のストーリーができたり、何通りも楽しめる絵本です。ヒーは電車好きなのもあってか、この絵本が大好きでしょっちゅう自分でめくっては隅々まで眺めていました。
「かさ」
女の子が赤いかさをさして、黒い大きなかさを抱えてお父さんを駅まで迎えにいくストーリーが文字のない絵本で描かれています。
ページをめくるたびに赤いかさを探していると、一緒にお迎えに行っている気がしてきます^^ ヒーはめくったとたんに赤いかさを見つけて大満足していました。「どんな場所を歩いているかな?」「どこに向かっているのかな?」など聞いてあげてくださいね。
「ZOOM」
最初のページからどんどんズームアウトしていく、予想もつかない「引き」に驚いてしまう、スケールの壮大な絵本です。
視点を変えることの面白さ・大切さ、多面的に物ごとを見ることが直感的にわかる絵本だと思います。最初のページから「これは何だと思う?」と聞いて答えさせて、ページをめくって「これは何だと思う?」と同じ質問をしていくと、面白いと思います。ヒーはめくるたびに「えー!?」と驚いていました。
「アライバル」
舞台は、不思議な世界観の架空の国。主人公は家族を置いて新天地を目指すことに。言葉の通じない異国で、見たことのない生き物や仕組みに苦労しつつも居場所や歓びをみつけ…。
この絵本は、アングレーム国際コミック・フェスティバル最優秀作品賞受賞。その他、ヒューゴー賞、ディトマー賞、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞など多数の受賞があるそうです。
これは私の所蔵品で、大人向けの「グラフィック・ノヴェル」です。子どもには難しいのかも知れませんが、文字がない分、好きにストーリーをふくらませられるので、ヒーにも見せています。ヒーにこれを読み聞かせして、とても面白かったです。「この子はなんて言ってる?」とたくさん質問されたので、その都度一緒に考えてストーリーをつくりました。
このようにとても緻密に描かれていて、サイレントムービーを見ているかのようです。このページは漫画のようなコマ割りになっていますが、もちろんいろんなカットがあり、どーんと見開きで新天地が描かれていたりと、本当に映画のようなカメラワークに感じます。
知育ポイント
字のない絵本でお話をつくるのに慣れてきましたか?そうしたら次のステップに行ってみましょう。
私の愛読書「ドクター苫米地流「天才脳」子育て術」によると、「名画を一緒に見て、その絵の説明をさせること」が子どものIQアップに最も効果的だと言っています。
ですので、例えば我が家では、私の所有していたダリ回顧展の図録(展覧会のカタログ)を一緒に眺めたりしています。
できれば本物を一緒に見に行きたいですが、なかなか機会がないので、まずは図録で。
たとえばこの絵でしたら、「このおじいさんと女の子は何を話しているのかな」「この箱には何が入っていると思う?」とか簡単な質問をしてあげればよいです。正解も不正解もないので、子どもは思いついたことを好きに話せばいいんです。
「絵に描いてある1つ1つのものを見せて、子どもに徹底的に思考させ、それを言葉に変える訓練をするだけで、子どもは抽象的空間を操作する方法を覚えてIQはどんどんあがっていきます」
この癖がついてきたからなのか、自然現象を見ても、子どもが泣いている場面に遭遇しても、ヒーは自然とその場その場で自分で考えて「葉っぱがダンスを踊っているんじゃない?」とか、「きっとおやつを買ってほしかったんだよ」とか、私から問いかけなくても物語を述べるようになってきました。
家にダリの図録しかないのもちょっと偏るので、他の画家の絵もどんどん見せて語らせていこうと思っています。
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